正義のヒーローはメキシコにたくさんいた。

同宿の人から、「今、獣神サンダー・ライガーさんがこの宿に泊まっていて、今日プロレスの試合があるのですが、一緒にどうですか」という誘いを受ける。

僕はそれほどプロレスに興味を持った時期はなかったけど、獣神サンダー・ライガーといえば、そんな僕でも知っている、大スターである。その話を聞いた瞬間、中学・高校時代にプロレス雑誌を毎週購読するほど大のプロレスファンだった同級生の顔を思い出し、何だか悪い気がした。

それでも、面白そうなので、当然行くことにする。

「行ってらっしゃい」と皆で本人を宿から送り出した後、地下鉄で会場へ向かう。

メキシコではプロレスの人気が高いらしい。現地ではLucha Libre(自由に闘う)と呼ばれていて、マスクを被ったルチャドールが、リングの中を文字通り縦横無尽に駆け巡る。日本でもタイガーマスクが正義のヒーローだったように、メキシコでもマスクマンは正義のヒーローらしい。でも、みんなマスクを被っているので、素人の僕には違いが分からない。

会場では、小さな笛をゲットし、それをピーピー吹きながら歓声を上げる。とても楽しい。ほとんどのルチャドールは身のこなしがとても素早くて、ダンスショーを見ているようでもある。善玉は必ず悪玉に勝つみたいなことがガイドブックに書かれていたが、普通に悪玉が勝っていた。そして、メキシコ人もそんな悪玉に歓声を送っていた。僕も個人的には悪玉が勝つほうが面白いと思う。悪玉レフェリーもいて、善玉ルチャドールが押さえ込まれた時は、ものすごい勢いで3カウントを数えたりしていた。

すべてがわざとらしくて、それでも、みんなが本気でやっている。だから楽しいのだと思った。

そして、メインイベントで獣神サンダー・ライガーが日本の国旗と共に登場したときは、テンションがあがった。日本人が世界で活躍する姿を見るとそれだけで嬉しくなる。「JAPON!JAPON!」と叫んでいた。

夜、ライガーさんとキッチンで会ったので、さりげなく腕の太さを比べてみたら僕の4倍くらいあった。プロはやっぱりすごい、と1人納得。
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by shingo20100620 | 2010-09-24 14:40 | メキシコ編